免許を取る際、試験課題でもあった、法規走行。簡単に言えば、ルールを守って走ることです。
想像してみよう
あんしん運転を提供するのに大切なことの一つが、「想像力」です。しっかり情景を想像しながら、以下の事例について考えてみてください。
なお、本ブログに挙げられた事例は、特に記載のないものについては、すべて架空のものです。
それぞれの事例には問題がついています。正誤を問う問題ではないので、推定されるだけのものでもかまいませんので気軽に考えてみてください。
問題文をクリックすると解答例が表示されますが、これらはあくまで「例」です。
事例1
ゾーン30内を歩いていたKちゃんが、お母さんと横断歩道を渡ろうとしたところ、荷物満載のハイエースが、すごいスピードで近づいてきました。
Kちゃんたちはびっくりして立ち止まりましたが、ハイエースは「止まれ」の標識のところも一瞬ブレーキを踏んだだけで止まりもせず、Kちゃんたちには目もくれずに横断歩道を通り過ぎ、その先をあっという間に左折していってしまいました。
実はここで、お母さんは、ハイエースのドライバーが、子供会の仕事をしてくれているスタッフの〇〇さんだと気づいていました。でも、あの〇〇さんが、あんな運転をしているなんて…。とてもKちゃんに、さっき〇〇さんが車に乗ってたよ、なんて言う気にはなれませんでした。
事例2
だいぶ子供会での運転に慣れてきた3年生の△△と、助手席の2年生□□は、大学で荷物を下ろし終え、レンタカーを返却する途中で、道幅も狭く、駐車禁止の標識のある、商店街のコンビニに寄っていくことにしました。
コンビニのすぐ近くにはコインパーキングがありますが、数分程度の買い物のために駐車料金を支払うのはもったいない、と△△は思いました。
コンビニの店舗の前には搬入用の4tトラックが止まっていましたが、△△は、すぐ出てくれば大丈夫、とそのすぐ後ろにクルマを止めました。助手席の□□は、ここに止めたらまずいよな、と思いつつ、先輩の△△に意見を言うこともできず、一緒に車を降りてしまいました。
2人が買うものを選び終わり、レジに並ぼうとすると、だいぶお客さんが多く、5分以上も待たされてしまいました。並んでいる間、救急車のサイレンがずいぶん長い間近くで鳴っていた気もします。
2人が車に戻ってみると、2人の車とトラックの横が狭すぎて通りづらいため、車の後ろには3台ほどの車が列をなしていました。また、トラックの前には、近所の人の自転車の列ができてしまっていました。さらに、トラックのドライバーさんが、トラックの後ろが開けられないために台車をしまうことができず、コンビニのオーナーYさんと、どうしようか相談していました。
事例3
私はサマーキャンプでバスに併走するクルマのドライバー。離村式も終わり、今年のキャンプもいよいよあとは帰るのみ。
昨晩はスタッフ間の連絡会の後、さらに飯ごうの汚れを落とすので遅くなっちゃったし、今朝もじゃがいもをゆでたり、お茶を作ったりの仕事があったから、3時間くらいしか寝られなかったな…。まあでも、最終日はクルマを使う機会がまったくなくて、よかった!
朝からまったくクルマに触ってなかったけど、何も使わなかったんだから、いきなりエンジンかけて出発しても大丈夫だよね。ちょっと車内が暑いけど、すぐ冷えるでしょ。
あれ、見送ってくれている管理人さんが、左折の瞬間から、なんだか不思議そうな顔で私のクルマを見てるな…なんだろう。
あれれ、交差点を左折しようとしたら、なんだか後ろのクルマがせっついてきて、追突されそうになった。
おやおや、高速道路に入ったけど、追い越しのあと、左の車線に戻ろうとしても、なかなか入れてもらえない。
それにさっきから、アクセルをずっと踏み込んでいないと、なんだか必要以上に減速するなあ…。プリウスのエンジンブレーキ、こんなに強かったっけ。ハンドルもふわふわするし。今日はなんなんだ。
ふぁ~、いやしかし、子供対応もなくて済んだし、なんだか眠くなってきちゃったな…。さっきから本当に眠くて眠くてしかたない。おっと、気づいたらだいぶ右に寄ってた、危うく壁にぶつかるところだった。危ない危ない。
法規走行の大切さ
以上の事例から、法規走行ができないドライバーは、ルールを守っていれば防げたであろう、様々な事故やトラブルを引き起こしかねないことがわかります。←安全
また、関係者(子供会の例でいえば、子供たち・保護者や地域の皆さま・キャンプ場の方)からの、ドライバー本人のみならず、組織(ここでは子供会)全体の信頼を損ないます。←安心
(ちなみに、法規「走行」と言っていますが、駐停車などの際、法規を守って車を「止める」ことも法規走行に含みます。)
安全と安心の根幹をなす、法規走行。
免許を取ってからの期間が長い方こそ、ぜひ、見直してみていただければ幸いです。
なお、本記事をお読みの皆さまで、必ずしもすべての方がそういった「組織」にかかわる運転をされているとは限りませんが、サークル内で「あんしん運転」を呼びかけるにあたっては、私は「子供会そのものの末永い発展のために、法規走行は確実に守りましょう」という言い方をさせていただいています。
「法規走行」カテゴリの次の記事からは、特に気を付けたい場面について書かせていただきます。
今回も、お読みいただきありがとうございました。