2014年9月17日、子供会サークルの活動拠点から遠くない場所で、小学3年生が亡くなる交通事故がありました。
もし事故を起こしてしまうと、その後に何が待っているのか。
私たちがハンドルを手放すその日まで、忘れてはならない事故です。
9月17日、京王井の頭線 池ノ上駅から200mほどの住宅街、世田谷区代沢において、軽トラックが下校途中の小学生3名に突っ込み、2名が負傷。
そしてのこる1名は重体となった後、翌18日、亡くなりました。
事故を起こした男の軽トラックは、事故現場付近から道路(狭いが一方通行ではない)の右側にはみ出し、ちょうど事故現場となった「右側の」電柱に、後に亡くなる児童を挟んだ状態でぶつかりました。
2016年8月、東京地裁にて、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷など)の罪に問われた男の初公判が開かれました。
男は事故を起こしたことは認めるものの、心臓に疾患があって気を失ったためと無罪を主張していました。
被害児童の代理人弁護士の、「被害者3人の名前を言えるか」という質問に対し、亡くなったお子さんのお名前は答えられたものの、ほか2名のお名前は答えられなかったそうです。
右腕を骨折したお子さんの手紙も読まれました。
「私が手術から目が覚めたのと、(女児が)亡くなったのが一緒(の時間)だったと聞かされ、悲しくて悲しくていっぱい泣きました」
「おじさんは一瞬で私たちの夢を踏みにじりました。亡くなった18日を大切にしてください。毎日、謝り続けてください。そして私たちのことも忘れないでください」
2017年1月25日、男には禁錮3年の実刑判決が言い渡されました。
3名は、近くの池之上小学校に通う児童。
池之上小学校といえば、子供会サークルからすれば、となり町くらいの感覚の小学校です。
私たちのふだん活動している町の、すぐそばで、小学3年生が犠牲になる輪禍が発生しているのです。
サークルでは、ドライバーに、こういった問いかけをしていました:
自分の担当の、3年生の女の子を何人か思い浮かべてみてください。
その子たちが車との事故にあった。
そのうち1人は亡くなってしまった。
しかも、もし、その車を運転していたのが、子供会のスタッフだったら?
それが、あなた自身だったら……?
サークルでの運転では、無事故の目標を、90%でも、99%でもない、100%にこだわってきました。
その原点が、この事故です。
私たちは、絶対に、人身事故を起こせないのです。
本記事の内容は、朝日新聞デジタル『通学路で奪われた9歳の命(きょうも傍聴席にいます)』を参考にしました。
骨折したお子さんのお手紙も、当該記事からの引用です。
今回もお読みいただき、ありがとうございました。